>20のお題TOP



空を舞う花びらはキミに似て  ―――――  。





「 ・・・・・・ 二人きりのときは、昔通り エリィでいいわ。」

キミは言う。
誰にでも分け隔てなく向けるその聖母の笑みで。

俺が今ここにいるのは、聖母ソフィア像を描く為だ。

キミは人々のソフィア(希望)。
もう昔のエリィじゃない。
そんなことを考えて





俺に向けるその笑みにいたたまれなくなって

君を描き続けることがつらくなって







絵が完成してしまう事が怖くなって ―――――  


「一週間ほど自宅に帰ろうと思うんだ。
 絵の具が切れかけてるから。新しいのを作ってこないといけない。」


俺は逃げ出した。












そして


戦火は広がり 君までも 戦場に借り出され

絵は完成することなく 

俺は  ――――― 








あぁ エリィ 


キミを守る事も出来ずに

キミの最期の言葉さえも


「 生 き て 」

取り違えて  ――――― 






ニサン軍の母艦が敵と共に爆風に飲み込まれていくのを

そこから その白い破片が 飛び散るのを

まるで花びらが舞うみたいだと思いながら

ただ 



ただ呆然と 見つめていた  ―――――  。
















「ねぇ、フェイ。お願いがあるんだけど。
 私の絵を描いて。
 落ち着いたらでいいから。」

「エリィ?」

「シタン先生から聞いたんだけど、フェイ、ラハンにいた頃、絵を描いていたんでしょ?
 絵描きになりたかったって。」

「もう随分昔の事のみたいな気がするなぁ。」

「いろいろあったからね。
 ・・・・・ね? 落ち着いたらでいいから。」


「そうだな。」








「今度はちゃんと完成させてよ?」






 

 




今まで描いてきたカップルさんの中でもしかしたら一番思い入れの深い二人かもしれないのです。
フェイとエリィは、どの時代のどの二人でも全部好きでせつないです。

こゆゆうのも、どちらかといえばマンガで描きたいな・・・・その方が楽しい。(私が)(笑)